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爆クラ in DOMMUNE<第102夜>「香水で語りたまへ、クラシック音楽」(ゲスト:海老原光宏)


爆クラは今まで、いろんな切り口で「クラシック音楽の聴き方」を提案してきましたが、やりたくても語れるお相手がいないゆえにできなかった切り口があります。


そのテーマは「香り・香水」。クラシック音楽と香りの両方に見識と教養がないと、双方のブリッジはかけられないのですが、それが可能な逸材を発見!! なんとクラシック音楽を香り化するプロジェクト「La Nuit(ラニュイ)」を立ち上げた編集者の海老原光宏さんを、ゲストにお迎えします。

すでに、ラヴェルの『夜のガスパール』をタイトルとした、素敵な香水セットをリリースしているのですが、その三本は大いに納得のいく香り。この数年、香水業界は、大手メゾンよりもインディペンデントなメーカーがそれぞれ個性的な香りを出している群雄割拠時代。コムデギャルソンが「どうみても昆虫の蜂しか思いつかない」というフレグランスに象徴される「単にいい香りのその先」を目指す、現代音楽みたいな境地にあるのですが、海老原さんのプロデュースは、見事にそこに参戦。ラヴェルの音楽に存在する、陰りと官能性と俗とを見事に香りに閉じ込めています。


わかりやすくいえば、和声や旋律、リズムなどにより構築され、時間の経過を端野する交響曲などは、まさに香水の一滴。トップノートのグリーンが、スズランに変わり、麝香に落ち着く、ディオールの「ディオリシモ」の世界は、凄ーくブラームス!! ってなことですね。


視覚優位の世の中で、聴覚と嗅覚は人間の無意識や本能、情動に紐付き、だからこそ大変に魅力的な分野(残念なことに、視覚つまり知識とデータ本位で善し悪しを判断するクラシックファンが多すぎ!!)。実は不肖、ワタクシも小学校の時の、サンローランの「イグレック」にまつわる極めて印象的な出来事から(本番で話します)、香水にハマっていまして、この分野の“貯め”はかなりある方。年齢とともにお気に入りは移り変わっており、それは時代性とも大いに関わっているところも、音楽っぽい。


当日はクラシック音楽を、香水のあれこれから選んでみる、という試みを海老原さんと行っていきます。こういう選曲はやったことがなかったので、超楽しみ!! 会場となる渋谷PARCO 9階、DOMMUNEスタジオは、私たちが選曲とともに持ち込む香気で、さながらショウガールの楽屋のごとく香気でむせかえることでしょう。

 

■ゲスト:海老原光宏(えびはらみつひろ、La Nuitコンダクター/編集者・ライター)

慶應義塾大学理工学部卒業後、雑誌・ウェブメディアの編集者を経てフリーに。現在はデジタルメディアやSNSの運用・コンサルティング、ファッションやアート分野の編集・執筆に従事。2021年、クラシック音楽を香り化するプロジェクト「La Nuit(ラニュイ)」立ち上げ。ラヴェルの『夜のガスパール』香水セットからスタート。2022年、スクリャービンのフレグランスコレクションを伊勢丹新宿店サロン ド パルファンで披露。

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