第3弾のネタはリクエストの多かった、マリア・カラス!!! 今を生きる大人としては、是非、知っておきたい音楽教養かつ、クラシックの声楽というものの本当の凄さを知るには絶好の機会を夏休みの幕開けにご用意しました。
マリア・カラスと言えば、その印象深い美貌とともに、やれ、元大統領夫人のジャクリーンに富豪オナシスを盗られたとか、ダイエットのためにおなかにサナダ虫を飼っていただとかの(その真偽についても追求あり)、テレビのバラエティー番組の格好のネタが満載の彼女ですが、実際に真剣に彼女の全盛期の歌声と向き合ってみると、刺激と安らぎがパワーの中に奇妙に同座する、その魅力に圧倒されてしまいます。
20世紀最高のソプラノ歌手と言われ、重厚な中低音から透明感ある超高音までを遺憾なく発するドラマティコ・ソプラノ・ ダジリタの声質を持つマリア・カラス。彼女の凄いところは、秀でた声質の上に努力の上身につけた技術、役の内面に深く踏み込んだ表現が実現されているところで、このひとりの天才が現れたことで、声楽、オペラは新しい時代を迎える事となりました。
参考資料↓
「椿姫」
映画「マリア・カラスの真実」予告編
彼女のヴィオレッタ(椿姫)、トスカなどは、その声と歌唱は、すでに役柄の個性表現というのを越えて、もはや火山や海鳴りと言った自然の音と同質の神秘的な響きを実現してしまっています。今回の爆音仕様によって、そのヴォイシングの隠された魅力が、いかに暴かれていくかに期待。
今回は、心強い助っ人として、オペラ、バレエに造詣が深く、新国立劇場制作部舞踊(バレエ部門)専門職員の鈴木直人さんをお招きして、今回は、聞き所を一曲ごとに詳しく説明していただきます。
教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この官能音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳とのセッションを堪能して下さい。
お待ちしています!
曲目予定
ヴェルディ「椿姫」より、「ああ、そはかの人か~花から花へ」
ベッリーニ「夢遊病の女」より 「今日は私にとって晴れやかな」「私の心臓の上に手をお置きになると」
べッリーニ「清教徒」より「いらっしゃい、いとしい方、(月が空にかかっています!)」(狂乱の場)
ベッリーニ「ノルマ」より「清らかな女神よ」
ロッシーニ 「セビリヤの理髪師」より
ブッチーニ「トスカ」より「歌に生き、愛に生き」「名誉を守ることをできなければ」
ヴェルディ「アイーダ」より「第2幕のフィナーレ」
ヴェルディ「ドン カルロ」より「むごい運命よ」
ゲスト
鈴木直人
早稲田大学卒業。幼少期から大学に至るまで、ピアノ、合唱、オペラなどに親しむ。学卒後10年間の金融機関勤務を経て、新国立劇場開場時(1997年)にオペラ合唱団員として契約。2000年に新国立劇場制作部オペラ部門に制作部主任として入社。以後オペラ制作、バレエ研修所を歴任し、2008年より制作部舞踊(バレエ部門)専門職員。
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