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爆クラ<第51夜>「空間現代だから、トリオ!! 三重奏曲の秘蹟(サクラメント)」ゲスト:空間現代

 「新世界」の後、いろいろな場所を候補に考えたのですが、晴れ豆に出向いて、そのサウンドシステムの音響を聴いてみたら、「なんじゃこりゃあ!」の松田優作状態。1年前にシステムを変えてから、その音響の良さは際立っていることは知っていましたが、交響曲、ピアノ曲、声楽曲といろんなジャンルをプレイしても、大迫力かつ繊細。もう、その場で年間契約の勢いですよ。(会場はかなりクセのある空間なのですが、じょじょに「爆クラ仕様」にてクリエイトしていく所存)


 そして、栄えあるセカンドシーズンの初っぱなゲストは、今、アンダーグラウンドの巷を騒がせている空間現代。この名前を、私が信頼する音楽好き、そして演劇好き(彼らは演劇とのコラボも多いのです)から聞いたののと時を同じくして、生演奏に触れることができ、その魅力にマジハマり。


 ギター、ドラム、ベースの3人によるプログレッシブな合奏、というのがそのスタイルですが、インプロビゼーションでは無く、ルールと反復を一期一会に繰り返していき、いつしか、聴衆の頭の中は自分自身と音がつくりあげる、独自世界が広がっているというもの。つまり、空間現代の音楽は聴く人の耳の数だけ違う、ということなのです。こういう、タイプをクラシック音楽の中で探ると、ブルックナーが大変に近い。


 プログレッシブロックの雄、キングクリムゾンのギター、ロバート・フリップが提唱していた、フィリッバートロニクス(一度弾いたフレーズを一定周期でループさせ、その上にフレーズを次々と重ねていくというアレ)を思い出しましたが、音が束になる複雑酩酊系ではなく、何だか、自然音を聞いているような感覚にも陥ります。


 ということを踏まえながらの、今回のテーマは、数字の「3」。そう、2では無くて3。空間現代のメンバーも3人ですが、3という数字にちなんだクラシック音楽を取り上げ、空間現代の3人といっしょに語っていきます。


 クラシックで3といえばトリオ。ベートーベンのピアノトリオ「大公」はもちろんのこと、3つの楽器を重奏した、サクソフォーンだけ、ピアノだけの三重奏曲も多く在るのです。クラシック音楽だけではなく、ポップス、ジャズ、そして、小説、映画、演劇の世界でも3というモチーフが効いたものを取り上げ、3の秘密に迫っていく所存。


 教養としてのクラシックではなく、クラブカルチャーを経た耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。



ゲスト

空間現代

メンバーは、野口順哉(guitar / vocal)、古谷野慶輔(bass)、山田英晶(drums)。編集・複製・反復・エラー的な発想で制作された楽曲を、スリーピースバンドの形態で演奏。これによるねじれ、 負荷が齎すユーモラスかつストイックなライブパフォーマンスを特徴とする。先鋭的な他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも活発に行っており、2013年発表の劇団「地点」のブレヒト戯曲『ファッツァー』では音楽を担当。生演奏で出演する京都での公演が好評を博し、昨年は共作第二弾としてマヤコフスキー戯曲『ミステリヤ・ブッフ』をF/Tにて上演。2016年4月にMoe and ghostsとのコラボレーション・アルバム、Moe and ghosts × 空間現代『RAP PHENOMENON』を発売

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