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爆クラ<第55夜>「シン・ゴジラなクラシック」ゲスト:鈴木淳史

 みなさん、当然ながら映画「シン・ゴジラ」はすでにご覧になりましたよねぇ〜?

 ものすごい興行収入を上げており、私も悪口を言うつもりで観に行って、逆にハマったクチでした。


 言うならば、まさにニッポンの今に上映するべくの時代性、古くは『キングコング』、『トレマーズ』や『グエムル-漢江の怪物』を経た上での、怪物エンターテイメントとしての斬新な語り口、そして、主人公・矢口役の長谷川博己と、ライバル関係である赤坂役の竹野内豊にまさかのBL萌え、というトリブルパンチでハマりまくり、劇場で6000円のフィギュアを、中学生のオタクたちのウラヤマシー視線を存分に浴び、すでにこの忙しい最中、3回も劇場に足を運んでいるのですよ。


 そして、ゴジラといえば、初代のそれから、日本が誇る作曲家のひとりである伊福部昭の劇判音楽がつとに有名。実は私メは幼少のみぎりに、初代ゴジラを劇場で観ているのですが(1954年封切りなので、多分二番館の再上映)「ドシラ、ドシラ、ドシラソラシ……」の低音の繰り返しモチーフは本当に不気味で怖かったことを覚えております。(「シン・ゴジラ」でも、伊福部音楽は効果的に使われていましたね)


 太古の昔から、人間が自然に持っていた畏敬、行って帰るだけの意味の無い反復(そう、ゴジラはそれだけしかやらないのです)、徹底的な破壊、海洋地形学、ヒューマニズム、革命、カタルシス、理想主義、リアリズム、科学、政治とシステム、原発放射能問題……。と、様々なテーマが見え隠れする映画『シン・ゴジラ』ですが、これらのテーマを内包してあまりあるのがクラシック音楽というジャンルなのです。


 さて、今回の爆クラは、映画『シン・ゴジラ』にクラシック目線で勝手にサウンドトラックを付けみる、という試み。こういうネタには、爆クラ コンピレーションアルバムのライナーノーツ対談でもお世話になっているも音楽評論家の鈴木淳史さん。


 爆クラ初期に「脱原発クラシック」を行い、猛烈に面白い曲紹介をしていただいた凄腕は、『シン・ゴジラ』が内包するテーマの数々をいかに浮かび上がらせるのか?!


 教養としてのクラシックではなく、クラブカルチャーを経た耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。



ゲスト

鈴木淳史(すずきあつふみ)

クラシック音楽をフィールドワークにする評論家。1970年山形県生まれ。著書に「背徳のクラシック・ガイド」「クラシック批評こてんぱん」「クラシック悪魔の辞典」「占いの力」(以上、洋泉社)、「チラシで楽しむクラシック」(双葉社)「「電車男」は誰なのか」(中央公論新社)などがある。近刊に「クラシックは斜めに聴け!」(青弓社)。

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