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爆クラ<第60夜>「指揮者って、何者?」ゲスト:坂入健司郎

 クラシック音楽の新しい聴き方を、クラブ仕様の音量豊かなサウンドシステムを通して、2011年以来、ほぼ毎月、提案し続けているトーク&リスニングイベント、爆クラ。


 さて、今回はクラシック音楽そもそも論、でいきたいと思います。クラシック音楽にあまり親しみのないムキが必ず思うこと、と、それは「指揮者って、何者?」という素朴な疑問。


 「どうやって、演奏者をノせていくの?」「指揮者の勉強法は?」「指揮者はどういう風に音楽をきいているの?」「指揮者におけるカリスマって何?」「カラヤンは何で指揮者の代名詞なの?」などなど。カラヤンに小澤征爾(一般的にはこのふたりぐらいの名前を指揮者として知っているはずです)、指揮者が違うと確かに演奏は大きく違ってくるというのですが……。


 楽器を演奏するでもなく、歌うでもない。みんな楽譜を見て、その指示通りに弾いているのだし、バンドに指揮者がいないようにみんなお互いの音を聴いていれば演奏できるのではないか?  など というクエスチョンマークが頭をよぎります。



 指揮者は作曲家が譜面に書いた音符という「指示書」を頭の中で自分の響きに変換し、その通りに演奏家達に弾いてもらう、というクリエイティヴを行っています。


 そうなると、そのコミュニケーションはどうやっているのか? スポーツの世界では、ダメチームが熱血監督の下に見違えるようになって、勝ちに行く、というストーリーはよく知られていますが、指揮者のスキルの何が実際にオケの可能性を引き出すのか、の秘訣というものを是非、当のの指揮者から超具体的に話を聞いてみたい。


 というわけで、ゲストは、異色の経歴を持つ若手指揮者としてコアなクラシックファンにその名を知られる、坂入健司郎さん。小学生の時にクラシック音楽にハマり、13歳ではじめて指揮台に立ち、2006年慶應義塾高校ワグネル・ソサィエティ・オーケストラの正指揮者に就任、という経歴からは、音楽大学一直線のキャリアを進むのが当然なのですが、なんと大学は経済学部卒。しかし、個人的に指揮法を井上道義、小林研一郎等に習い、大学生のときに東京ユヴェントス・フィルハーモニーを結成、現在まで音楽監督を務めるという、若干28歳の才能なのです。慶応大を卒業し、勤め人と指揮者、二足のわらじを6年。ピアニストの舘野泉の委嘱作初演などで実績を重ね、昨年末には、プロオーケストラ・川崎室内管弦楽団を創設しました。


 先の1月に行われた、ドミューンでの爆クラ「なぜ、テクノはクラシック音楽を必要とするのか?」では、鼎談の後にクラシック音楽のDJを1時間披露して、ドミューンのうるさ型テクノファンたちを唸らせたセンスの持ち主である坂入さん。


 実は爆クラは今、坂入さんとがっぶり四つに組むブロジェクトをスタートさせていまして、今回の爆クラ! は言わばそのプレリュードといった趣になるでしょう。


 あっ、今回は湯山の都合上、スタートが1時間早く、19時からになります。



ゲスト

坂入健司郎(さかいりけんしろう)

指揮者。1988年5月12日生まれ、神奈川県川崎市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。これまで指揮法を井上道義、小林研一郎、三河正典、山本七雄各氏に、チェロを望月直哉氏に師事。また、モスクワ放送響音楽総監督ウラディーミル・フェドセーエフ氏、元アルメニア国立放送交響楽団音楽監督井上喜惟氏と親交が深く、指揮のアドバイスを受け、アシスタントを務めている。13歳ではじめて指揮台に立ち、2007年3月東京芸術劇場で行なわれたチャイコフスキーの『交響曲第4番』をメインとした演奏会で成功を収め、音楽現代2007年5月号において「クライマックスを作るのが実に上手く、白熱した名演となり未来の巨匠ぶりを存分に発揮していた。」と絶賛される。2008年より東京ユヴェントス・フィルハーモニーを結成、現在まで音楽監督を務める。これまで、イェルク・デームス氏、ジェラール・プーレ氏、舘野泉氏など世界的なソリストとの共演や、数多くの日本初演・世界初演の指揮を手がける。2015年1月、ミューザ川崎でマーラーの交響曲第2番『復活』を指揮した演奏会で好評を博したことを機に、同年3月に指揮者として初めて「かわさき産業親善大使」に就任。5月には、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭に出演を果たし、MOSTLY CLASSIC誌 2015年8月号の特集「注目の気鋭指揮者」にも推挙された。2016年には、新鋭のプロフェッショナルオーケストラ、川崎室内管弦楽団を結成。音楽監督に就任。その活動は、2016年12月朝日新聞紙「旬」にて紹介された。

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