今回は、クラシックファン、業界関係者必見の会です。「なぜ、私たちは川端康成、村上春樹のような日本文学を読み親しむのに、日本人作曲家の作品に関しては無知、冷淡なのか?!」「フルトヴェングラーを語り、ブルックナーを聴き込むファンが、なぜ、日本人作曲家の深掘りをしないのか?」、来る3月27日(日)に、東京オペラシティ コンサートホールにて開催する『湯山昭の音楽』コンサートのプレ企画として、爆クラ<第98夜>は、ゲストに評論家の片山杜秀さんをお迎えして、普段、あまり耳にすること気がない、日本人作曲家の作曲家とその作品を社会背景とともに紹介していきます。
片山杜秀さんと言えば、政治学者と音楽評論家の肩書きを持ち、現在、『週刊新潮』の巻頭コラムが絶好調(日本という国が今直面している問題に歴史を踏まえた考察)。クラシック音楽界では、映画『ゴジラ』でお馴染み、伊福部昭の再評価、大澤壽人の楽譜発掘など、日本人作曲家のリバイスを行っている、博覧強記+社会を分析するオリジナルな論点がある(ここ重要!)才人。
彼の本はどれも面白いのですが、中でもクラシック音楽作曲家たちを「鬼子」とたとえた。『鬼子の歌 偏愛音楽的日本近現代史』が秀逸でございまして、そこには同じように文明開化における西洋化の道を歩んだ、文学、美術とは、断絶したクラシック音楽の音楽ならではの理由と事情が書かれていて、大大大納得!!
言葉や思考が入らず「すぐに音として、快不快の反応がくる」生理的な音楽は、民族に固有な特徴があり、その“聴き方”を会得しなければ理解できない。というくだりは、クラシックのみならず、ワタクシにとってはレゲエやクラブミュージックにまで至る体験的ナレッジでもある。そして、フランス近代音楽DNAバリバリの湯山昭の音楽は、童謡にしろ合唱にしろ「日本語の言葉とセット」であり、そこに天賦のメロディーメイカーぶりが加わった故に「大衆に一番愛されたクラシック音楽家」となったということも!!
そして、アフタートークのDJは、これまたクラシック批評界の希望の星、鈴木淳史さん。DOMMUNE沼のテクノノイズな視聴者の皆様方に、本当にヤヴァイクラシック音楽をたたき出します。
日本の現代美術を欧米マーケットに浸透させた戦略と思想を綴った村上隆の『芸術家企業論』などに興味をお持ちの方は是非!!!
■ゲスト:片山杜秀(かたやまもりひで)
1963年仙台市生まれ。政治思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。『音盤考現学』および『音盤博物誌』で吉田秀和賞、サントリー学芸賞を受賞。『未完のファシズム』で司馬遼太郎賞受賞。著書に『近代日本の右翼思想』『国の死に方』『クラシックの核心』『見果てぬ日本』『鬼子の歌』『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』『皇国史観』等、共著に『平成史』等がある。
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